ラブコールが絶えない、”イケオジ”になるまで【ビジパン!05】取材後記

2024 / 06 / 06

ラブコールが絶えない、”イケオジ”になるまで【ビジパン!05】取材後記

構成/冨田愛純

撮影/冨田愛純

ときどき出会う、好きを仕事に、まるでピーターパンのような目で働く大人。そんな”ビジネスピーターパン”の、踏み出した過去に焦点を当てて取材する新企画『ビジパン!踏み出す前の自分へ、今だから伝えられること』が、公式YouTubeにてスタート!ここでは、取材した編集者が、ビジパンから感じたことや学んだことを取材後記として展開。今回取材したビジパンは、和歌山県を中心に訪問ヘアサロンやアウトドア事業、まちづくりやクラフトビール醸造所など、20代から数々の事業やプロジェクトを手掛け・仕掛けてきた有井安仁さん。

Nomcraft Brewing

オーナー

有井安仁

和歌山県和歌山市出身。22歳で、和歌山市内を中心とした高齢者や障がい者などへの自宅訪問理美容サービス『訪問理美容ハンズ』を起業。その後、紀州よさこい祭り「おどるんや」実行委員会を経て、37歳で和歌山県有田川町の地方創生プロジェクト「ARIDAGWA2040」の総合戦略を担当。41歳の時、有田川町にブルワリー『Nomcraft Brewing』を立ち上げ、昨年2023年からは和歌山市内の自然を楽しめるアウトドア事業『ソラトチ』もスタート。


”イケてる大人”が発する、言葉の効力 


”誰が言うか” 


で、その言葉が心のエールとなるか、右から左へと流れてしまうか、が決まると言っても過言ではないような気がする。 


例えば、今回の取材で1番励まされたこの言葉。 

『何もぶつからずに大人になるよりも、若いうちにいろいろぶつかっておいた方が、絶対に経験値として増えるからいいと思う。』 


これって、今回のビジパンである〈Nomcraft Brewing〉のオーナー有井安仁さんが、私から見て”イケてる大人”だから、「あぁ、若いうちはぶつかっても、有井さんみたいになれるなら…がんばってみるか」と思えたワケで。(もし私からみて、微妙だなと思ってしまう大人から言われたならば、即脳内ゴミ処理場行きだったと思う。) 


そんな有井さんのどこに、”イケてる大人”を感じたのかというと、理由はいくつかある。例えば、こっそり覗いた有井さんのインスタに、イケてそうな人たちと「仕事も趣味も最高!」って感じの投稿がされていたり。クラフトビールの醸造所以外にも、複数の事業やプロジェクトを手掛けられていてぜったいやり手なのに「俺、すごいだろ?」感が全くなく、いつもフラットな感じとか。 


でも、いちばん羨ましいのは、業種・界隈関係なく、たくさんの人たちに必要とされ、自然と有井さんの周りに人が集まってくるところかもしれない。 


ラブコールが絶えないイケオジの意外な過去 


取材中、有井さんご自身がいままで手掛けてきた事業を振り返り「自分がやりたくてやってるというよりかは、誰かがやりたいことを、どうやったら実現できるかの方が、多いかな」と語られていた。が、それって=それだけ多くの人や場所から、ラブコールが絶えないということの表れなのではないだろうか。 


では、どうすれば、ラブコールが絶えない”イケてる大人”になれるのか? 


『ほんとそれまでのままやったら、俺、すごい”イタイやつ”やったと思う…。』 


取材を始めて、しばらくして語られたこの発言に、びっくりしてしまった。いまの”イケオジ感”からは想像もつかないが、ご本人曰く、怒りを原動力に組織や人とぶつかった若かりし頃があったのだとか。 


だけど、そこでの”ぶつかり”や思うように上手くいかなかった経験が、当時の自分を見つめ直したりやり方を変えるきっかけになったとも、語られている。具体的に、どうやり方を変えられ、変わったのか気になる人は、ぜひとも取材動画を見てほしい。 


真似たくてもできない、”ほっとけない”から生まれる行動力 


ただ、ここで都合よく履き違えてはいけないのが、有井さんの場合、すべての失敗も経験も”自分のため””自分の利益のため”に行動してきていないという点だ。”イタイやつ”だった時期も、ラブコールが絶えない今も、有井さんの行動の源は「人のために・地域のために・社会のために」と、一貫しきっている。 


「誰かのために」が「自分のやりたい」よりも先に来たことがあまりない私は、「いくらほっとけなくても、そこまでする?」と思ってしまう、とにかく”人優先”の有井さんの行動を、すぐには受け入れられなかった。 


だけど、若かりし頃の有井さんを知るご友人への取材を通して、「世の中には自分には理解できないほど”誰かのために”と全振りで向き合える大人が存在しているのだな」と、少しばかり反省した。と同時に、そんな有井さんの行動や姿勢が誰にでもマネできないものだからこそ、多くの人を惹きつけて止まないのではないだろうかとも思った。 


目の前のことに丁寧に向き合う。いつかの”やりたい”のために 


取材終盤に、有井さんから教えてもらい個人的に響いた言葉がもう一つ。 


『キャッシュを動かすより、信用を動かすことの方が、起こせることのインパクトが大きい。その信用を得るには、自分を知ってもらうことも、今までしてきたことも大事になる。』 


”誰かのために”と思えたことはあまりないが、生きている、というより汗水垂らして働くのであれば、何かしら世の中に響くことをしたいという気持ちは私にもある。と同時に、社会人5年目になり、「自分ひとりの力でできることってマジでないな」と気づきながらも、まだまだ信用を得られるほどの経験値がないわたしにとっては、痛いところをつかれた言葉でもあった。(だからといって、キャッシュがあるワケでもない笑) 


そんな時にこそ、あの冒頭の有井さんからのエール(だと思っている言葉)を思い出すのだ。 


『何もぶつからずに大人になるよりも、若いうちにいろいろぶつかっておいた方が、絶対に経験値として増えるからいいと思う。』 


どんなに地道で意味がなさそうに見えて、批判も浴びて失敗してしまうことがあっても、自分のできるかぎりで向き合い続けていれば、きっとその一つ一つがいつか”自分のやりたい”の肥やしになってくれるはずだから。 


取材動画はこちら☟


和歌山市移住定住支援サイトはこちら☟
http://www.city.wakayama.wakayama.jp/ijuteiju/index.html

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