結局は自分の動き方次第 培ったスキルを活かして情熱ある仲間とやりたいことを【こんな生き方もあったのかvol.4】

2023 / 04 / 27

結局は自分の動き方次第 培ったスキルを活かして情熱ある仲間とやりたいことを【こんな生き方もあったのかvol.4】

構成/冨田愛純

撮影/冨田愛純

和歌⼭市で⾃分らしく活動している⼈を通して、全国に和歌⼭市の魅⼒をお届けしたい。そんな想いから⽴ち上がったインタビュー企画「こんな⽣き⽅もあったのか」では、その⼈が辿ってきた道のり、これまでの⼈⽣を振り返って思うこと、さらには今後実現していきたいことに迫ります。今回は、2022年家族で和歌山市へ移住し、海の近くでビンテージ家具を中心とした修理・販売を行う「SHEEP SHED」のオーナー木村修平さんにお話をお伺いしました。和歌山市で独立した今、木村さんが人生を振り返り思う自分らしい生き方とは。

SHEEP SHED

オーナー

木村修平

和歌山県美浜町出身。芸大卒業後、埼玉県にある北欧ビンテージの会社から都内内装会社への転職を経て、2022年3月和歌山市へ移住。同年9月にヨーロッパのビンテージ家具や国内外の新品家具、雑貨の修理・販売を行う「SHEEP SHED」をオープン。オーダー家具やオリジナル製品の製作、家具のメンテナンスや張替なども行う。


長年考えていた「独立」。始める場所としてしっくりきたのが和歌山市だった


結構前から「独立したい」とは考えていて、どこでお店をやるのが良いか探していた中で、和歌山市がしっくりきたんです。倉庫みたいなところに家具をバーッていっぱい入れて、展示も作業場も全部一緒にしたかったので、都心部より地方でやりたいなとは思っていて。埼玉に住んでいたときに、千葉や栃木にも足を運んで、それぞれの場所で素敵なお店はあったんですけど、自分がやるならここじゃないなっていう感覚がありました。 


それで、和歌山県出身ということもあり、和歌山市を調べてみたら結構大きな街で。自然もいっぱいあるし都心からのアクセスも良くて、他府県のお客さんにも来てもらいたいと思っていたのでちょうど良いなと。あと、前に勤めていた埼玉の会社が池袋から1時間くらいで、和歌山市も大阪からだと電車で1時間くらいで来れるので、イメージしやすかったというのもあります。


移住前に住んでいた場所が埼玉の中でも群馬に近いエリアで、どちらも車社会なので生活スタイルが大きく変わった感じはしないですね。ただ、和歌山市は海が近かったりするので、埼玉にいるときより散歩したり自転車に乗る機会は断然増えました。 


広々とした空間に展示場と作業場が併設された店内と「SHEEP SHED」のオーナー木村さん


社会人12年目で”修行転職”。独立を見据えた新たなスキル習得のために


昔から「絶対に家具をやりたい!」みたいなのはなくて、デザインの大学でいろいろと勉強する中で、なんとなく家具っておもしろいなと思い、埼玉県にある北欧ビンテージの会社に入れてもらいました。入社して2、3年経ったあたりから、友達が独立したり仕事しながら活動し始めたりして、そういった周りの刺激もあり「自分もやってみたい」という気持ちが出てきた気がします。埼玉県の会社には11年間勤めていたんですけど、ビンテージ家具だけだと今後リスクが出てくるかもしれないと思い、独立前に他の技術が欲しいと思ったんです。  


今って、DIYでも何でもYoutubeで勉強できるじゃないですか。だからこそ、自分はプロの仕事を見て学んでお金をもらえるようにしたいと思い、転職して左官とか塗装の修行をしました。給料はバーンって下がるし、転職先では1番ペーペーになるのできつかったんですけど、最短で技術を覚えて独立しようと。振り返ると、最後はもう独立するしかないように、自分を追い詰めたところもあるんじゃないかなと思います。 



左官とか塗装の技術的には、まだまだ何年もやらないといけないと思うんですけど、基本をしっかり身に付けたら、数をこなして自分で上手くなっていけるんじゃないかなというのがありました。あとは子供のタイミング的にも小学校に入学した後に転校だとかわいそうなので、やるなら入学する前にという考えもあり、1年間の修行を経て独立しました。家族には前々から、「最終的には一人でお店をやりたい」という意志は伝えていたので、独立するときも応援してくれましたね。 


独立して手に入れた、培ったスキルで「つくりたいものをつくれる」環境


「SHEEP SHED」は家具の展示だけじゃなくて、作ったり修理・張替もしたりと、木工所と家具屋がブレンドされたようなお店で。メーカーさんに頼るんじゃなくて、自分でちゃんと手を入れたものを販売しているというのが強みなんじゃないかなと思います。ビンテージで古いやつだと、傷が残ったりシミがあったりするケースもあるんですけど、そこも説明した上で販売しているので。あとは、お店の中にハマるものがなかったら自分で作れるっていうのも強みだと思います。それを目指して修行してきたというのはありますね。 


実際に始めてみて、作業はもちろん事務系のことも一人でやらないといけないので大変ですけど、やっぱり独立して良かったなと思います。「こういうのを作りたい」ってアイデアが生まれたときに、それを実行できる環境が欲しいというのもあったので。それが奥にある作業場なんですけど。結局は考え方や動き方次第で、自分がちゃんと動けば飽きずにできるんじゃないかなとは思っています。 


奥の扉を開けると作業場につながっている
 

あと、ここでお店を始めてからいろんな人と繋がって、「今度はこんなことやってみよう」とか自分が想像していたものより違う動きができると、おもしろいなって思いますね。全然追いついていないんですけど、まだまだやりたいことがいっぱいあって。それは作業する中で、「次はこうしたらおもしろいかもな」って出てくる感じで、”やっているから出てくる”というのが1番あるのかなと思います。 


場所はできない理由にならない。情熱を持った仲間たちと”家具にとらわれない”ものづくりを


和歌山市に来る前から、仕事とは別に個人的な活動として、絵を描いたり写真撮る子の展示用の額(=フレーム)を作らせてもらっていて。最初から商売とかは考えず、「こんなんできたらおもしろいな」っていうのから始めて、段々できるようになってきたという感じです。今後は、販売する方向で考えているので、もっとクオリティを高くして販売できるレベルのものを作ろうとは思っています。 


趣味でやっていたことが知識にもなっているし、額を作りながら繋がった人脈とか、和歌山もですけど関東で出会った仲間というのが本当に財産だと思っています。服やバッグも作っているんですけど、印刷できる仲間が向こうにいるからできることで。 



結局、場所は関係ないちゃうんかなというのはありますね。対面で会うのには勝てないと思いますけど、今ってSNSでも何でもあるじゃないですか。だから濃度みたいなのは違いますけど、情報は取れるし、どこにおろうと結局は自分の動き方次第で、移住しても全然関係なくできるというか。東京に行きたかったら行けますし。 


お店に置いている家具以外の雑貨類も、基本そのときに繋がった人たちのものを置かせてもらっているんですよ。有名とか無名とかは関係なくて、やっぱりみんな情熱を持ってやっていて、それが1番大事やなと。もの1つとっても、自分がものづくりをずっとやっているので工程が何となくわかって、「めっちゃ頑張って作ってんな」みたいな情熱が感じられるものを、お店に置かせてもらっています。今後は、仲間たちにも来てもらってイベントとかできたらおもしろいなっていうのはあります。そういったところが、普通の家具屋じゃない動きでもあるのかなと。 


SHEEP SHED インフォメーション
HP:https://www.sheepshed.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/sheepshed_shop/

和歌山市移住定住支援サイトはこちら☟
http://www.city.wakayama.wakayama.jp/ijuteiju/index.html

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