趣味を楽しむ二拠点生活のコツは、何事も無理をしないこと【こんな生き方もあったのかvol.6】

2023 / 07 / 06

趣味を楽しむ二拠点生活のコツは、何事も無理をしないこと【こんな生き方もあったのかvol.6】

構成/冨田愛純

撮影/冨田愛純

和歌⼭市で⾃分らしく活動している⼈を通して、全国に和歌⼭市の魅⼒をお届けしたい。
そんな想いから⽴ち上がったインタビュー企画「こんな⽣き⽅もあったのか」では、その
⼈が辿ってきた道のり、これまでの⼈⽣を振り返って思うこと、さらには今後実現していきたいことに迫ります。今回は、2020年10月より、鯛の一本釣りや人気アニメ「サマータイムレンダ」に描かれる街並みのモデルとなり観光地としても賑わう港町〈加太〉で、地域おこし協力隊として活動する岩元秀樹さんにお話をお伺いしました。長年、大阪ー加太間で、趣味を楽しむ二拠点生活を送られてきた岩元さんにとって、自分らしい人生の楽しみ方とは。

和歌山市地域おこし協力隊

加太地区

岩元秀樹

昭和53年に大阪工業大学を卒業後、建設会社勤務を経て、昭和55年大阪府松原市に入職。都市整備部開発事務所、都市計画課、まちづくり 推進課、都市整備部等に配属。平成28年に定年退職後、再任用職員として道路事業等の用地買収を担当。令和2年10月より地域おこし協力隊として活動している。休日は、釣りやカヌー、SUPといった趣味を楽しんでいる。


趣味がきっかけで始まった”週末二拠点生活” 


長年、趣味でウィンドサーフィンをやっていて初めは大阪の二色の浜に通っていたんですけど、せっかくならもう少し水が綺麗なところでやりたいなと、35年ほど前から加太に通うようになりました。当時、ウィンドサーフィンの後に、加太の大波止に寄って釣りをして帰るという週末を送っていたんですけど、週休2日制が導入されてから加太に生活拠点が欲しいと思うようになったんです。 


それで「加太自然の郷」という別荘地に小さなログハウスを建てたのが、大阪ー加太間での”週末二拠点生活”の始まりですね。加太は、大阪からだと高速で1時間ちょっとで来られるし、海も山もあるから、天気のいい日は歩いているだけ気持ちがいいんですよね。趣味でスノーボードもしていて、冬は北海道や岐阜県に行って滑るんですけど、短期間の滞在だったら雪もあって楽しいですけど、やっぱり住むなら暖かいところがいいなと。 

二拠点生活の始まりとなったログハウス 

長い間、春から秋にかけての週末は月に3回くらいのペースで加太に通う生活を送っていたんですけど、10年前くらいに別荘地ではない普通の住宅地「加太サニータウン」に良い家を見つけて、今はそこに住んでいます。やっぱり二拠点なので、維持費は一拠点よりかは多くかかるんですけど、拠点があると存分に趣味を楽しめると思います。無理のない範囲で始めていくというのが、趣味も二拠点生活も楽しむコツかなと。



65歳で新たな挑戦 長年培ったまちづくりの経験を活かして


当時はオイルショック前で建築や土木が上り坂やったというものあり、大阪工業大学で土木の勉強をして、大学卒業後に民間の建設会社に入りました。その会社では2年間働いていたんですけど、現場で役所の人と仕事するうちに「役所でまちづくりの仕事をしてみたい」と思うようになり、松原市役所に転職しました。そこから定年までの約36年間、ずっとまちづくり関係の部署で、松原駅前再開発や土地区画整理、都市計画道路等の仕事に従事しました。


道路や公園は地図に残るし、完成した時の達成感はすごいですね。やっぱり何か達成できたら嬉しいし、一つ一つできるようになると何でも楽しくなってきますからね。そのためにも、仕事でも趣味でもあまり目標を高く設定し過ぎずに、自分の中で達成ポイントを細かく持っておくのもいいのかなと。 

加太地区で和歌山市地域おこし協力隊として活動する岩元さん


定年後の2016年から5年間ほど再任用職員として、引き続きまちづくりの仕事をしていました。再任用期間があと半年ほど残っていた時に、たまたま加太まちづくり会社のHPで、地域おこし協力隊の募集を知ったんです。


募集内容が「加太地区の空き家を起業や移住定住を希望している方に紹介し地域の活性化を図る」ということだったので、今までやってきた”まちづくりの経験”が活かせるのではと思いました。あとは、長年通っている加太の活性化に少しでも貢献できたらなとの思いと、活動期間も3年間と決まっていたのでやってみようと、65歳で地域おこし協力隊の活動を始めました。 


協力隊として活動する中で築けた、地域住民との関わり


活動内容は移住希望者に利用可能な空き家を紹介すると言うもので、業者ではなく、あく まで個人売買のお手伝いです。なので所有者さんと購入希望者さんの間に立って双方の立 場を考え、温度感や様子を見ながら話を進める必要があります。


空き家購入者のほとんどは大阪の方で、別荘や起業目的での購入と移住定住目的が半分半分といった感じですね。最近は、加太の住民の方から「この空き家売れないかな?」と相談をもらうことも増えてきました。活動前は、趣味を楽しむだけで地域に馴染むことはあまりなかったので、加太での人脈ができてきたというのも、地域おこし協力隊として3年間活動してきたからなのかなと思っています。 


もちろん活動する中で問題が起きる時もありますけど、まずは自分で解決できる問題なのかを判断して、無理なものは無理で割り切ることも個人的には大事なのかなと。その上で、自分で解決できそうなら、できる範囲で努力するようにしています。やっぱり頑張って対応した空き家が売れると嬉しいですしね。

岩元さん(左)が空き家を紹介したシェアハウス「ツキノイツカ」のオーナーさんと 


趣味を楽しむ生活のコツは、”極めすぎないこと”


今は週に3日ずつ松原市役所と加太を行き来して、それぞれの場所で仕事をしているんですけど、3年後の70歳には仕事を辞めて、ゆったり趣味を楽しんでいけたらなと思っているんです。動けるうちはアクティブに好きなことを満喫したいなと。 


趣味のウィンドサーフィンもスノーボードも、ある程度練習したらそれ以上はあまり上手くならないんですけど、それがいいと思うんですよね。少し”中途半端”くらいの方が、おもしろそうと思った時にすぐにやってみようと思えるし、その方がいろんな趣味を楽しめると思うんです。別にプロになってお金を儲けるわけでもないし、趣味を長く続けようと思ったら、無理のない範囲で自分の楽しいようにするのが1番いいのかなと。 

音楽も好きで、好きなバンド『センチメンタル・シティ・ロマンス』の曲に「いつか青い空と海の見える場所で暮らせたら」という歌詞があって、役所に入った頃からずっと聞いていたんですね。それで、当時からそういう生活ができたらいいなって思っていて、今住んでいる加太の自宅は窓を開けたら一面海が見えて、裏には山があるんです。


もちろん、私のように海の近くで趣味を楽しむ生活が良いか、仕事が好きで仕事一筋が良いかは人それぞれやと思うんですけど、昔からやりたかった生活が今できているというのは、私は良かったと思います。

岩元さんのご自宅からの景色

加太での起業・移住・定住支援サイトはこちら☟
http://kadalife-info.com/


和歌山市移住定住支援サイトはこちら☟
http://www.city.wakayama.wakayama.jp/ijuteiju/index.html

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