”心のときめきは、動き出すサイン” 一目惚れ移住で叶えたウェルビーイングライフ【こんな生き方もあったのかvol.10】 

2023 / 11 / 02

”心のときめきは、動き出すサイン” 一目惚れ移住で叶えたウェルビーイングライフ【こんな生き方もあったのかvol.10】 

構成/冨田愛純

撮影/冨田愛純

和歌⼭市で⾃分らしく活動している⼈を通して、全国に和歌⼭市の魅⼒をお届けしたい。
そんな想いから⽴ち上がったインタビュー企画「こんな⽣き⽅もあったのか」では、その⼈が辿ってきた道のり、これまでの⼈⽣を振り返って思うこと、さらには今後実現していきたいことに迫ります。今回は、2021年に関西随一のサーフスポット”磯の浦”に移住し、週5日大阪市内のオフィスで働きながら、アウトドアライフを満喫する衣笠由梨さんにお話をお伺いしました。「 数年前まで和歌山県には1回ほどしか訪れたことがなく、これ!といったイメーシもあまりなかった」と語る衣笠さんが、和歌山市に移住するまでの道のりとは。

外資系企業勤務

兵庫県出身

衣笠由梨

神戸大学大学院卒業後、大手英会話スクール勤務を経て、ワーキングホリデーのためカナダへ。帰国後、東京のグローバル人材紹介会社に勤務したのち、2019年に フレキシブルオフィスを展開する外資系企業へ転職。2021年、大阪から和歌山市のサーフスポット”磯の浦”へ移住し、週5日大阪市内のオフィスに通いながら、サーフィンや登山など自然に囲まれたウェルビーイングライフを満喫中。


不便を感じたことはない。海と山に満たされる”ぜいたくなトカイナカライフ” 


自宅から徒歩10分の場所にビーチ、さらに車を10分も走らせれば山もあるので、移住してきてからは、朝から登山をして帰ってきたら海に入って汗を流すという週末を送っています。平日に、朝5時起きでサーフィンをしてから出勤することもあるんですけど、1時間半の通勤中に電車で寝られるのでちょうど良くて。やっぱり身体を動かすと、ストレス解消になってめちゃくちゃリフレッシュできます。 


犬を飼い始めてからは、自宅近くの〈河西公園〉という海沿いの大きな公園に、毎朝散歩に行っています。磯の浦は結構お年寄りの方も多くて、なぜか犬を飼っていない方もエサを持って散歩されていて、毎朝挨拶するうちに顔見知りになって、うちの犬も可愛がってもらっています。笑 

磯の浦に移住した衣笠由梨さん(右)とパートナーのアダムさん(左)、そして愛犬のスイちゃん


和歌山市に移住してから不便を感じたことは正直あまりなくて、私は車を運転しないんですけど、日常生活の買い物は自転車でぜんぜん事足りるし、最近近くにコンビニもできました!1時間半の通勤時間も、睡眠やインプットの時間になっているので、あまり苦に感じたことはないんです。


強いていうなら、仕事終わりに飲みに行くのが好きな方だと、1時間半の帰路が少し億劫に感じる場合もあるのかなと。ただ、私はどちらかというと終業後はサクッと帰宅するタイプなので、”大阪で働いて磯の浦に帰ってくる”という今のライフスタイルが合っているんだと思います。

週5日働く大阪市内のオフィスでの取材風景(撮影場所:WeWork なんばスカイオ)


憧れの海外生活で再発見した”自然の中で暮らす心地よさ”


中学生の時に、アメリカの〈シアトル〉でホームステイをさせてもらって、その時に「外にはこんな世界もあるんや!」ってすごい衝撃を受けたんです。その経験がきっかけで、「世界で活躍できたらかっこいいな〜」と思うようになり、大学で国際文化学部に進みました。本当はこの大学生の時期に、海外旅行や留学をたくさん経験したかったんですけど、なんとなく4年間をダラダラと過ごしてしまって。笑 その後大学院に進んだものの、海外に行けなかったことがずっと心残りで「社会人になったらお金を貯めて海外行こう!」と心に決め、しばらく大阪で働いた後、ワーキングホリデーでカナダへ飛び立ちました。 


まずは、「今まで働いてきた分、思いっきり旅行してやろう!」と、”世界で最も美しい島”と言われるカナダの〈プリンスエドワード島〉を旅したんです。そこでは、現地でヨガ教室をしている先生の自宅に滞在させてもらったんですけど、大自然の中で完全ヴィーガンな生活を送るという、毎日が驚きと刺激に満ちた日々で本当に楽しかったです。

カナダでのワーキングホリデーを楽しむ衣笠さん


と同時に、「本当に自然の中で生きていくってなった時に、私は家も建てられないし、何もできない。今までオフィスで培ってきたスキルってぜんぜん役に立たないんだな。」と痛感させられました。あと、地元が兵庫県宍粟市という山に囲まれた田舎だったので、学生の時は「正直、自然はもうお腹いっぱい」って感じだったんです。それが、カナダでの日々を経て「自然に囲まれた生活ってやっぱりいいな」と思い始め、そこからアウトドアにハマっていきました。 


知れば知るほどハマっていった和歌山の魅力


1年間ほどカナダを旅した後、ビザの関係で帰国して、東京のグローバル人材紹介会社で働いていました。その時は帰国したばかりでお金もあまりなかったので、「とりあえず頑張って働かなきゃ」という思いで、2年間必死に土日も働いていて、振り返るとかなりブラックな生活を送っていたと思います。そんな時に、たまたま仕事を通じて今の会社を訪れる機会があり、楽しそうに働いている人たちの姿に惹かれて、4年前に転職し大阪に戻ってきました。 

衣笠さんの同僚の方とのオフィスでの一枚(撮影場所:WeWork なんばスカイオ)


転職した当初は、オフィスから近い大阪市内に住んでいて、週末にパートナーがクラフトビール事業をしている和歌山県の〈有田川町〉に通うという生活を送っていました。それまで和歌山っていうと白浜のイメージしかなくて、人生で一回ぐらいしか行ったことがなかったんですけど、通うたびにいろんな場所や人を紹介してもらって、『和歌山めっちゃいいところやん!』ってなりました。 


私自身が田舎出身なので、それまで田舎っていうと、大きなイオンモールがポツンとあるだけで、あまり特徴がない”おもしろみ”に欠ける場所っていうイメージだったんです。それが有田川町は、レストランでも遊び場でも家具屋さんでも、何ひとつとってもこだわりがすごくて、質が本当に高かったんです。まちづくりやコミュニティーづくりもすごく活発で、なんかおもしろい場所だなと。 

パートナーのアダムさんが働く有田川町にある「NomCraft Brewing」にて


週末だけ有田川町に通う生活を2年間くらい送っていた時に、せっかくなら和歌山の他の地域も訪れてみようと、2年前の夏に和歌山市の〈磯の浦〉に行ってみたんです。そこで、私もパートナーも「和歌山にこんなところがあるんだ!」と一目惚れしてしまいました。 


一目惚れ移住で叶えた、磯の浦での”ウェルビーイングライフ”。


まず駅に着いた瞬間にヤシの木が生えていて、海には波もあるし、とにかく明るい南国の雰囲気にときめいてしまい、その日から3週連続で週末に磯の浦へ遊びに行きました。観光しながら周辺をうろうろしている時に、軽いノリで「安くで借りられる物件ないかな?」と調べ始め、初訪問から3ヶ月後にはスピード移住していました。笑 


何か大きな決断をする時に、もちろん躊躇することもあるんですけど、たぶん迷っている時はあんまり心が動いていないんですよね。「これ!」と思った時って、心が動いている時だから、ワーキングホリデーも転職も移住も「とりあえずやってみよう!」と行動してきたのかなと。 



今のお仕事は、平日の週5日出社する必要があるんですけど、移住する上で、通勤時間はそこまでネックではなかったんです。一応、移住前に電車の本数を調べて、「1時間半なら通えるか!」と自分の中で納得できていたというのもありましたが、何よりも『磯の浦に住みたい!』という気持ちが強くて。 


自然へのアクセスは抜群に良いし、前よりお手頃な家賃で広くて開放的なお家に住めて、今の暮らしには本当に満足しています。移住から2年経った今も、金曜日の*加太線に乗るとワクワクして、車内の床にデザインされているフィン(潜水用の足ひれ)に、足を揃えて乗ってみたり。笑 磯の浦は、生きていくのに本当に良い場所だなと思っていて、「将来はシャワー付きのお庭があるお家を建てられたら最高だな〜」なんて妄想をしていたりもします。


*加太線とは:和歌山市の紀ノ川駅から加太駅までを結ぶ南海電鉄の路線で、和歌山市駅から加太駅間を走る観光列車の「めでたいでんしゃ」が観光客を中心に人気。

和歌山市駅から加太駅間を走る観光列車「めでたいでんしゃ」の車内


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http://www.city.wakayama.wakayama.jp/ijuteiju/index.html

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