和歌山市に住んだら自宅でとれたての鮮魚味わえる説【妄想移住生活!検証実録vol.1】

2023 / 06 / 15

和歌山市に住んだら自宅でとれたての鮮魚味わえる説【妄想移住生活!検証実録vol.1】

構成/冨田愛純

撮影/冨田愛純

『海、山、川、まちがある和歌山市への移住』と聞き、「都心では味わえない自然豊かな暮らしが待っているのでは?」と期待に胸を躍らせる人もいるはず。例えば、「移住したら毎日サーフィンできる説」「和歌山の新鮮な野菜や魚を堪能できる説」といったように。そういった”移住にまつわる説”を、移住1年目の新米編集長が体当たりで検証していきます。名付けて『妄想移住生活!検証実録』。第一弾は、綺麗な海がある和歌山市に移住したら「とれたて鮮魚を自宅で味わえるのか」検証してきました!



検証場所の”漁港”という文字を目にし、「え、釣りやったことないし道具も持っていないから無理〜」と早々にブラウザを閉じようとした方、安心してください。知り合いから入手した情報によると、検証を行う『雑賀崎漁港』では、3〜4時間前にとれたばかりの鮮魚を漁師さんから直接購入できるらしいのです。(ちなみに私は、魚屋さんに行った経験もありません。)


この時点で、「鮮魚ってどうやって持ち帰るの?」「値段交渉とか必要ないの?」と私のように不安になった方、そこら辺もしっかり検証してきましたので、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。まずは、直接販売がいつ、何時から開催されているのかを雑賀崎漁業協同組合の公式HPでチェック。

雑賀崎漁業協同組合の公式HP

ここで、一番重要な情報をお伝えします。みなさま、定休日欄に書かれている赤文字【当HPトップページ】を絶対にチェックして下さい。詰めの甘い私は、「今日は水曜日で天気は晴れ、よし!」と当日の出漁状況も確認せずに、漁港までチャリをぶっ飛ばした結果、無念の手ぶら帰宅となりました。(振り返ると、そもそも何故トップページをチェックしなかったのか、自分でも不思議で仕方ありません。)


その日から推し活のごとく組合のHPをチェックし続け、無念の手ぶら帰宅から1週間後、リベンジ検証を行うことに。この日のお目当ては、雑賀崎で水揚げされ、市場にはあまり出回らない”足赤エビ”。一度、和歌山市内の飲食店で食べたことがあり、あまりのプリプリさと旨味にまたいつか味わいたいと思っていたのです。(検証時期は5月)

公式Twitterでその日の出漁状況をチェック!

漁港に着いて早々、足赤エビを販売する漁師さんを発見したものの、周りの常連らしき人たちが大きな発泡スチロールを抱えている姿に、一気に不安度MAX。リュックサックに気持ち程度の保冷バッグを詰めただけの激弱装備で買いに来ている人は、おそらく私一人だけだったのではないでしょうか。さらに、そんな私に追い打ちをかけてきたのが、”バケツ購入スタイル”です。


その漁師さんの販売所では、バケツ単位でしか値札が貼られておらず、周りのお客さんも「3000円分!」「そのバケツちょうだい!」といったペースで大量買いしていくのです。激弱装備の私には、到底バケツ買いできるキャパはなく、だからと言って手ぶら帰宅を繰り返すわけにもいかないなと、漁師さんに直談判してみることに。(普段あまり緊張しないタイプなのですが、この時ばかりは人生初体験すぎてドキドキしました)

とれたて足赤エビの直接販売の様子

あえて素人感を全面に出し「2匹ください〜」と漁師さんに声をかけてみたところ、「さすがに少なすぎて無理やな〜笑」と断られ、渾身の”素人戦法”は一瞬にして撃沈しました。 続いて、全予算をさらけ出し「1000円しかなくて〜」と相談してみたところ、「1000円やったらこれくらいやな」と4匹の巨大足赤エビをゲットすることに成功しました。(緊張した甲斐あり!)よくよく考えると、料理人でもない素人が、漁師さんから直接とれたての鮮魚を購入できるなんて、これぞ移住したから味わえる贅沢体験ですよね。 


人生初!漁師さんとの交渉を終え待ち受けていたのは、こちらも人生初のエビ捌き。いくらとれたてで活きが良いとは言っても、自宅に帰るまでの40分間で鮮度は落ちてしまうよなと心配していた私の気持ちを返してほしい。殻を剥こうとするたびに、ピチピチとまな板の上で飛び跳ねるエビの鮮度に感動すると同時に、経験したことのない恐怖に悲鳴を上げながら15分かけて1匹のエビを捌き終えました。(あまりに疲労困憊で、残りの3匹は殻ごと塩焼きにしました。)

とれたて足赤エビと格闘する様子

そして、自ら漁師さんに直談判し格闘しながら捌いた足赤エビのお味はというと、とんでもなくプリプリで、リアルに人生で食べたお刺身の中で群を抜いておいしかったです。(捌いた勢いで完食してしまい、お刺身の写真を撮り忘れてしまいました。反省)

塩を振ってグリルで焼いただけなのに、あと6匹は食べられるほど癖になるおいしさでした。

というわけで、検証結果としては「和歌山市に住んだらとれたての鮮魚を自宅で味える」となりますが、この説を実証する上で、ハードルが一切なかったわけではありません。しかし、私はこのハードルにこそ、移住生活の醍醐味が詰まっているような気がします。


正直、新鮮で美味しい魚を食べたいのであれば、そこそこの値段を払って都会のお店で味わうこともできると思います。(市場に出回らない足赤エビは難しいかもですが)しかし、漁師さんとの交渉やエビとの格闘は、和歌山市に移住したから経験できたことであり、振り返ると”その食べるまでの過程”も楽しんでいる自分がいました。 まさに、『大人の林間学校』に来ている気分で、久しぶりに童心に戻ってワクワク・ドキドキできました。


もちろん出漁との兼ね合いもありますし、近所のスーパーよりは遠いので、移住したからといっていつでも漁港に買いに行けるわけではありません。しかし、私はそれくらいでちょうどいいなと思っています。毎日食べられるとなるとプレミアム感がなくなり、”とれたて鮮魚”にワクワクしなくなる自分も想像できますから。というわけで個人的には、「自分へのご褒美や友人を招く際に、”旬のとれたて鮮魚”を買いに行き、自宅で堪能できる生活」がちょうど良いのではないかなと思います。


和歌山市移住定住支援サイトはこちら☟
http://www.city.wakayama.wakayama.jp/ijuteiju/index.html

オススメ記事はこちら